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サルコペニアと その予防方法

高齢になると筋力が衰え、転倒して骨折する危険が高まる。こうした状態を「サルコペニア」と呼び、足腰が弱り歩行などが困難になるロコモティブシンドローム(運動器症候群、ロコモ)とともに、注目されるようになった。自分はサルコペニアなのか、どのように防いだらよいかなど、分からない人も多いはずだ。簡易診断法や筋力トレーニングを通じて対策を立てようとする取り組みが大学などで始まっている。 サルコペニアは1989年に米国の研究者が提唱した概念で、サルコは筋肉、ペニアは減少を意味する。年とともに筋肉の量が減って体の機能が低下した状態だ。活動量が減るため、肥満になりやすい。高齢化が進む日本でも徐々に言葉が知られるようになってきた。ロコモの一歩手前の段階ともいえ、75歳以降、該当する人が急増するとい これまで高齢になれば筋肉が衰えるのは仕方がないと諦める例が多かった。しかし最近は、トレーニングなどで筋肉に刺激を与えることでサルコペニアを防ぐ取り組みも始まっている。


関西医科大学付属枚方病院(大阪府枚方市)は「サルコペニア外来」を2年近く前に設けた。同外来で診察などを担当する福島八枝子医師は「軟骨などと違い筋肉は年を取っても鍛えられる。高齢者の転倒を防げば寝たきり予防にもなり、生活の質の維持につながる」と意義を強調する。運動器具が並ぶ部屋もある。 サルコペニア外来では、初診時に体の痛みがある部分を申告し、膝関節と腰椎の画像を撮影する。重い関節の障害の有無を調べ、運動できるかどうかを判断するのが目的だ。運動ができると診断され、希望する人は、通院または自宅で運動プログラムを受ける。プログラムではまず専用装置を使い、運動開始前と開始3カ月後に筋肉量の検査を実施。同時に足などの筋力も調べる。希望者はさらに、自宅で3カ月運動を続ける。全身の筋肉量や足の筋力などの向上を目指す。
 では、どんな運動をすれば効果があるのだろうか。同外来では週に3回通院してもらい、4種類の運動を繰り返している。まずは、椅子に座ったままおもりをすねで押し上げる「レッグエクステンション」だ。太ももの大腿四頭筋と呼ぶ筋肉を鍛えられる。次は、両手で取っ手を後ろへ引っ張る「ローイング」。背筋を鍛える効果がある。このほか、尻の大殿筋などを鍛える「レッグプレス」や大胸筋を鍛える「チェストプレス」も実践している。いずれも10回で1セット。合計で3セットが基本だ。所要時間は約40分で、運動の前後にケガを防ぐためのストレッチをする。「大きな筋肉を優先して鍛え、全身の筋肉量を増やすことを目指している」(福島医師)

■たんぱく質、健康に重要 肉や魚、意識して摂取を

関西医科大学の福島八枝子医師は「米国などではフィットネスが深く医療に入り込んでいる」と話す。専門家の指導の下、高齢者が筋力トレーニングをする「パワーリハビリ」が盛んという。一方、日本は骨折などのリスクを懸念する声もあり、あまり普及が進んでいないのが現状だ。高齢者の運動ではウオーキングが手軽に始められる。ただ歩くのではなく、途中で早歩きをしたり、坂の上り下りなどを活用したりする。こうすることで、筋肉に刺激が与えられ、筋肉増強につながるという。
 また、トレーニングとともに栄養摂取も大切だ。とくに筋肉のもととなるたんぱく質の摂取を心がけたい。日本人は高齢になると、肉や魚などの動物性たんぱく質をあまり食べなくなる傾向があるためだ。毎日の食事を通じて肉や魚、乳製品、野菜などをバランスよく適量摂取することが、健康維持に役立つと専門家は口をそろえている。(日経新聞)

 

 

 


野洲市、病院基本計画精査「8年目から黒字」に

JR野洲駅前に市立病院整備を計画している野洲市は10月8日、基本計画の精査結果を発表し、収支見通しを『8年目から黒字』と試算した。13日に開く同病院整備運営評価委員会で報告する。
市立病院計画は、今年1月に市が収支見通しを「20年は赤字」と変更したことをきっかけに、財政面への不安が市議会で浮上。市は見通しを「16年目から黒字」に再修正したが、5月市議会で基本設計予算案が否決され、基本計画を精査するための予算が可決された。市によると、見込患者数の増加などにより、収支見通しが改善されたとしている。市は、市議会臨時会で基本設計の予算案をあらためて提案する。(京都新聞)


新型ノロウイルスが拡大 免疫なく患者急増の恐れも

食中毒や感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスの新型が国内で増えている、とする調査結果を川崎市健康安全研究所がまとめた。病原性はこれまでと同程度とみられるが、多くの人は免疫がないため、流行期の秋から冬にかけて患者が急増する恐れがあるという。

人間が感染するノロウイルスの遺伝子型は約30種類あり、主に流行していたのは「GII・4」という型。しかし、昨年3月に「GII・17」という遺伝子型の変異株が初めて川崎市内で検出された。市内では1~6月に新型が36人から見つかったのに対し、GII・4は17人だった。新型は長野や埼玉、栃木、三重、大阪の5府県でも見つかっているほか、中国や米国などでも確認されているという。

川崎市健康安全研究所の担当者は「患者数が増えれば重症者も増える。抵抗力の弱い高齢者や子どもは特に注意してほしい」と呼びかけている。

ノロウイルスは患者の便や吐いた物に含まれ、手や食べ物に付着して体内に入る。予防には手洗いの徹底が重要です(朝日新聞)