人工関節、耐久性30年以上に伸ばす素材開発

人工関節メーカーのナカシマメディカルは人口関節の耐久性を従来の1.5倍の30年以上に伸ばす素材を開発した。樹脂にナノテクノロジー(超微細組技術)素材のカーボンナノチューブ(筒状炭素分子)を混ぜ、人工関節が摩耗したり割れたりする劣化が起こりにくくなった。マウスなどで安全性を確かめ2年後をめどに臨床試験(治験)を始めたい考えだ
現在高齢者に多い『変形性関節症』は、患部を人工関節に置き換える手術などで対応することが多く、股関節の皿の部分はpリエチレン樹脂が主流となっている。しかし、20年ほどで摩耗や破損などで再手術が必要なケースも目立ち、今回の技術が実用化されれば患者の負担は大きく減ることになる。
しかし、カーボンナノチューブは人体に対して毒性があるとの指摘もあり、安全性を詳しく確認している段階である。人工関節を100年使ったことを想定して摩耗によって出てくるカーボンナノチューブをマウスの関節に注射しても問題は起こらなかった。今後はがんになりやすい特殊なマウスを使い発がん性についての検証を進める予定。

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