食中毒や感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスの新型が国内で増えている、とする調査結果を川崎市健康安全研究所がまとめた。病原性はこれまでと同程度とみられるが、多くの人は免疫がないため、流行期の秋から冬にかけて患者が急増する恐れがあるという。
人間が感染するノロウイルスの遺伝子型は約30種類あり、主に流行していたのは「GII・4」という型。しかし、昨年3月に「GII・17」という遺伝子型の変異株が初めて川崎市内で検出された。市内では1~6月に新型が36人から見つかったのに対し、GII・4は17人だった。新型は長野や埼玉、栃木、三重、大阪の5府県でも見つかっているほか、中国や米国などでも確認されているという。
川崎市健康安全研究所の担当者は「患者数が増えれば重症者も増える。抵抗力の弱い高齢者や子どもは特に注意してほしい」と呼びかけている。
ノロウイルスは患者の便や吐いた物に含まれ、手や食べ物に付着して体内に入る。予防には手洗いの徹底が重要です(朝日新聞)