厚生労働省意見書 介護保険、現役並み所得者の自己負担3割了承

厚生労働省は9日、介護保険制度の見直しに向けた意見書をまとめた。現役並み所得のある高齢者の自己負担を2割から3割に引き上げる案などを盛りこんだ。同日の社会保障審議会の部会でおおむね了承を経た。2018年8月から実施する方針だ。
 厚労省は与党などと調整し、来年の通常国会に介護保険法の改正案を提出する。
 自己負担が3割になるのは年金収入のみで年383万円以上になる人だ。14万人程度が相当する。意見書では「賛同ないし容認する意見が多く出された」とした。高齢化に伴い費用が増えていることから所得に応じた負担を求め、介護保険制度の持続性を高める。
 大企業に勤める会社員の介護保険料が増える「総報酬割」は経済界の反発が強かったことから、賛否双方の意見を並べた。総報酬割は17年8月から段階的に導入する。
このほか、介護ベッドなど福祉用具のレンタルには「貸与価格には一定の上限を設けることが適当」とした。(日経)