またあしたでは、歌を歌うプログラムを実施する時に、皆さん見やすいように、大きな歌詞カードを作成します。ただ、このプログラムを実施する時に、仕事を増やす工夫を行います。
①丸い型紙を厚紙で作る
②厚紙を使って型をつける
③型に沿って丸く切る
④切った紙に一字ずつ字を書く
⑤書いた字を正しく並べてみる
⑥バランスを取りながら模造紙に貼っていく
実際はもっと細かく作業を分割して実施するのですが。なぜこんな事をするかというと、作業を分割することで、作業を単純化し、認知の程度や、ADLの違いがあっても、より取り組みやすくするために行うものです。単に模造紙に歌詞を写すという作業であれば、取り組める人数はごく一部でよく、複数のご利用者様が取り組むことは出来ません。また、字を書くという作業になると抵抗のあるご利用者様も多く、実際は『昔、書道をしていたとか、字を書くのが得意だと思ていた』とかいう、バックグラウンドがないと筆を執っていただきにくいものです。それを、作業をバラスことで、多くのご利用者が取り組める物へと変換させていくのです。
紙を貼る作業であれば、麻痺がある方でも工夫次第で参加できますし。字を書く作業にしても、一つの紙に一字だけ書くのであれば、比較的抵抗感なしに参加していただけます。またプログラムの展開にしても、一つのプログラムで複数の展開が可能になり、スタッフの負担も格段に楽になる可能性が生まれてきます。
難しく考えることはないです。スタッフにとって何か特別なスキルが必要なわけではありません。ご利用者様をよく観察し、気づいた点を正確に記録できるようになれば、自然と理解できるようになりその方にぴったりな課題や取り組み方のアイデアも見えてきます。要は、対象者に興味を持ち、知りたいと思うかどうかなのです。
またあしたでは、全てのプログラムは作業ではなく仕事と位置付けて実施するように心がけています。何故か? それは「ありがとう」を私たちからお伝えしたいからです。
「仕事をしてくださってありがとう」
「手伝ってくださってありがとう」
「あなたがそこにいてくれて本当にありがとう」
介護施設なのに変なところです。スタッフがご利用者様に手伝ってもらって楽をしようとしているのですから。それでも、人生経験豊富な皆様は、私たちの事を笑って許してくださいます。本当にそこには、感謝しかないです。
本当に、今日もみなさん、「ありがとうございました」