免許更新時の75歳以上 4人に一人が認知症や機能低下と判定される(埼玉県での調査結果より)

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75歳以上の人が運転免許を更新する際に義務付けられた認知機能検査で、埼玉県内で昨年、検査を受けた人の4分の1以上が、認知症や認知機能低下の恐れがあると判定されたことが、県警への取材でわかった。一方、こうした判定をされた人が、死亡事故を起こした運転者に占める割合は全国より低かった。

 75歳以上の運転者に対する免許更新時の認知機能検査は、2009年施行の改正道路交通法で義務付けられた。検査結果により、認知症の恐れがある(第1分類)、認知機能低下の恐れがある(第2分類)、恐れがない(第3分類)に分類される。更に昨年3月施行の法改正で、第1分類の人は医師の診断が必要になり、診断によっては免許の停止や取り消しができるようになった。

県警運転免許課によると、昨年の改正法施行後の県内の受検者(速報値)は約9万5500人で、うち約2千人(2%)が第1分類、約2万3100人(24%)が第2分類とされた。割合は全国平均とほぼ同じ。検査後の診断で10人が免許停止に、38人が取り消しになった。

一方、警察庁や県警によると、全国で昨年、原付きバイク以上を運転していて死亡事故を起こした75歳以上の385人(認知機能検査受検前の人を除く)のうち、第1・第2分類の人は49%の189人。だが県内では14人(同)のうち3人で、21%と全国に比べ低かった。

県警交通企画課はその要因として、県警が進める「シルバー・サポーター制度」で免許返納者が増えたことを挙げる。11年から免許を返納した高齢者に「運転経歴証明書」を交付しており、県警と提携する事業所で示すと、タクシー代や日用品の割引などのサービスを受けられる。

昨年交付された証明書は、最初の11年に比べ約24倍の2万3089枚に。提携事業所も開始時の20から228(今年1月時点)に増えた。身分証として免許証を手放せない高齢者が多かったが、証明書が身分証として使えるようになったことで返納が進んだ」と同課の担当者。今後は山間部での代替交通手段整備を自治体に求めるなど「足」の確保策を進めつつ、制度の拡充を進めるという。