認知症をマシンで予防 ツクイ、介護施設100カ所に

デイサービス(通所介護)最大手のツクイは11月にかけて、約100施設に自転車型のトレーニングマシンを導入する。在宅の要介護者が通ってきた際に、体を動かしながらゲームなどをしてもらい、認知症の早期発見や予防に役立てる。

 新型マシン「コグニバイク」は国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)とリハビリ機器メーカーのインターリハ(東京・北)が共同開発した。要介護者は週に1回程度のペースで利用し、ペダルをこぎながら前方のタッチパネルに表示される課題に取り組む。簡単な計算問題を解くほか、動物のイラストから名前を選んだり、短い時間で数字を記憶して選んだりする。

 運動では時々足にかかる負荷を変えながら、ペダルを一定のペースでこいで速度を保つように求める。頭を使いながら有酸素運動をすることで、認知症を予防する効果があるという。

 ツクイでは利用者ごとに心拍数やマシンのペダルの重さ、計算問題などテスト結果のデータを集める。認知症が発症しても過去のデータから異変を察知しやすいため、認知症の早期発見も期待できる。

 デイサービス施設は低コストで開業できるため、建設会社など異業種の参入も相次ぎ、全国で約4万3000カ所に達する。ただ、厚生労働省は介護報酬の増大などを踏まえ、今春に事業者が受け取るサービス基本料を減額し、小規模施設の淘汰が始まっている。

 一方で認知症の高齢者は2012年時点で約462万人おり、25年には最大730万人まで増えるとの試算がある。大規模施設を展開するツクイは、新型マシンなど他の事業者にない設備を加えて利用者を確保していく考えだ。